2026/09/25 18:00
9月16日、【次にくるマンガ大賞2026】の結果が発表された。エントリー総数7,952作品、投票総数約38万票の中から、コミックス部門1位にヤマノエイ『さむわんへるつ』(週刊少年ジャンプ連載)、Webマンガ部門1位に渡部大羊『おかえり水平線』(少年ジャンプ+連載)が選ばれた。
総合書籍チャート「Book Hot 100」で見ると、この2作品の軌跡は対照的だ。
『さむわんへるつ』は、生徒会長・梟森未明(ミメイ)と、深夜ラジオの有名リスナーであるクラスメイト・水尾海月(くらげ)の青春ラジオラブコメディ。原型の読切「金曜ミッドナイト・トーキング」が2021年のJUMP新世界漫画賞を受賞し、2025年9月16日、週刊少年ジャンプの「秋の新連載2連弾」の一つとして連載が始まった。
1巻(2026年1月5日発売)はニッポン放送『オールナイトニッポン』とのコラボが話題となり、発売週の1月15日公開チャートで19位。2巻(3月4日発売)ではライバルリスナー「えびのおすし」が登場して“リスナー甲子園”が開幕し、3月12日公開チャートで11位。3巻(5月1日発売)はその決勝編で、『呪術廻戦』の芥見下々がくらげのゲストイラストを描き下ろし、5月7日公開チャートで20位。4巻(8月4日発売)は花火大会と2年ぶりの番組イベント参加を描き、8月13日公開チャートで11位を記録した。単行本1~4巻は4回とも11~20位という高水準で登場し、発売直後にファンが動いて順位が跳ねる山型の波を4回繰り返していた。
一方の『おかえり水平線』は、2025年3月23日に少年ジャンプ+で連載が始まった高校生群像劇だ。海辺の街で祖父と銭湯を営む柿内遼馬のもとに、亡き父の写真を手にした柴崎玲臣が現れ、“父の隠し子”と名乗る場面から始まる、不器用で温かい義兄弟の物語となっている。単行本1~3巻は「Book Hot 100」の100位圏内に入らない時期が続いた。その状況が変わったのが、既刊4巻となった2026年9月10日公開チャートだ。88位へ急伸し、指標別では店舗91位・電子40位を記録した。
興味深いのは、チャートでの浮上より先に評価が動いていたことだ。2026年3月26日に授賞式が行われた【マンガ大賞2026】で、当時単行本1巻のみだった『おかえり水平線』はすでに4位に選ばれている。書店員や漫画好きによる評価が半年近く先行し、読者の実際の購買行動を示すチャートが後から追いついた形だ。
『さむわんへるつ』は週刊連載・豪華ゲスト・ラジオ局コラボの後押しを受け、新刊のたびに跳ねて落ち着く、紙媒体らしい規則的な波を描いた。『おかえり水平線』は隔週更新のWeb漫画として静かに読者を積み重ね、4巻目でようやく書店の棚に現れた、遅咲き型の上昇を見せていた。【次にくるマンガ大賞2026】を受賞した2作品は、まったく異なる道を歩んできたことが分かる。
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